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Twitterの新戦略が始まった? まずDMの文字制限緩和

CEO不在、伸び悩むユーザー数

 Twitterは今年6月、6年間にわたってCEOを務めてきたDick Costolo氏が辞任を表明。7月1日から正式なCEOは不在となっている。その前の4月後半に発表した第1四半期決算は、売上高が前年同期比74%増の4億3600万ドルとなったものの、純損失が1億6200万ドルに上った。注目の月間アクティブユーザー数(MAU)は3億200万人、モバイルMAUは2億4100万人で、事前予想を下回り、株価は20%近くも下落した。

 Costolo氏の辞任後は、共同創業者で取締役会会長のJack Dorsey氏が暫定CEOを務めているが、Costolo氏に続いてCOOのAli Rowghani氏も辞任するなど安定しているとは言いがたい。New York Timesは、「Twitterは強い批判を受けており、投資家、アナリスト、多くの従業員からの信頼が落ちている」と説明する。

 だがここに来て、良い兆しも見えている。7月に発表した第2四半期の業績報告では売上高が5億200万ドル、広告事業は60%以上で成長し4億5200万ドルに達するなど、アナリストの期待に応えたものだった。第2四半期の業績改善をけん引したDorsey氏が正式にCEOに就任するという見方も出ている。

 Barrons'sによると、金融コンサルのSunTrust Robinson Humphreyが8月14日付で、Twitterは翌週にもDorsey氏を正式CEOとして任命するというメモを発表した。新しい経営体制は、Dorsey氏、現在製品トップを務めるAdam Bain氏、共同創業者で取締役のEv Williams氏の3人体制となり、Bain氏はCOOに、Williams氏はより影響力のある立場になると見られている。

 Dorsey氏の正式CEO就任は、投資家の中からも支持されていた。一方Dorsey氏は8月10日にTwitterの株式3万1000株(約87万5000ドル相当)を追加購入しており、これを公表するツイートで「Twitterの将来に投資する」と述べている。

 New York TimesはDorsey氏のほかにも、取締役のPeter Currie氏とPeter Fenton氏、そしてCFOのAnthony Noto氏がこの1週間で株式を購入したことを指摘し、「Twitterは9年間の歴史で最も難しい時期を迎えており、これら内部からの株式購入は、同社への支持を公に訴えるものだ」とした。

 一方、Dorsey氏の正式CEO就任に懐疑的な見方もある。Dorsey氏はTwitterのあとモバイル決済のSquareを創業してCEOを務めているが、Twitterの取締役はCEOにフルタイムでのコミットを求めている。両社のオフィスは目と鼻の先にあるが、それでも2つの会社のCEOをこなすのは困難との見方だ。Squareは年内にIPOを目指して準備していると言われている。

(岡田陽子=Infostand)