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OSの位置付けが変わった “最後のWindows”静かにローンチ

 Windowsの最新版「Windows 10」がついに7月29日リリースされた。PCでは、なお9割以上のシェアを占めるというWindowsだが、インターネット利用の主流がモバイル端末に移行してゆく中での模索が続く。新機能や使い勝手はメディアやユーザーにも好評のようだ。一方、大規模な無償アップデート提供など、ビジネスモデルを変更した先の、次の手は見えないままとの声も聞かれる。

3フェイズでのローンチ

 Windowsの新バージョンリリースと言えば、ショップの前の長い行列がつきものだった。今は新型iPhoneの発売にお株を奪われた感があるが、元はと言えば1995年の「Windows 95」発売から始まったことだろう。しかし、Windowsは20年前から様変わりした。Microsoftは、Windows 8/7に10へのアップグレードを無償で提供することを決め、最初の新OSユーザーは、新しいマシンを買った人ではなく、自分のマシンをオンラインでアップグレードした人たちとなった。

 Microsoftは発売から一夜明けた30日付のブログで、Windows 10のテスターである「Windows Insiders」に最初に配信し、アップグレードを予約した旧OSユーザー向けに配信を進めているところだと報告した。Windows 10はこの時点で、1400万台のデバイスで動いているという。一方、主要OEMのWindows 10搭載PCは、年末商戦に向けて秋に登場すると言われている。

 これはCEOのSatya Nadella氏が描いたローンチシナリオに沿うものだ。MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏によると、Nadella氏は直前に開かれた同社会計年度2015年第4四半期(5-7月)の決算発表で、(1)Windows 7/8ユーザー向けのアップグレードと小売り向けの取り組み、(2)秋にOEMが新しいWindows 10デバイスを発表、(3)エンタープライズのアップグレード――の3つフェイズで進めることを明らかにした。Nadella氏は「サービスとしてのWindows(Windows as a service)」と呼んでいる。

 こうした展開の上で、「Windows 10については、会計年度後半(2016年1-6月)に強気の見通しにしている」とNadella氏は述べている。

(岡田陽子=Infostand)