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ツールや違法アクセス権を販売 ハッキングフォーラム「Darkode」の解体

 ハッキングツールや、不正に取得したサーバーへのアクセス権限の売買の場となっているハッキングフォーラム、その中でも悪名高い「Darkode」のメンバー28人が逮捕、起訴された。Darkodeは、ソニーのPlayStation Networkへの攻撃で知られるハッカー集団「Lizard Squad」も利用していたといわれるフォーラムだ。今回、司法当局はDarkodeの解体には成功したが、闇の世界には同様のフォーラムが800も存在すると言われている。

20カ国が協力して「Darkode」解体

 米司法省(DoJ)は7月15日、「Darkode」と呼ばれる「主要なハッキングフォーラムを解体した」と発表した。声明では「米国および世界中のコンピューターの一貫性にとって最も深刻な脅威になっていた。犯罪行為をするハッカー向けとして英語圏で最も高度で洗練されたフォーラムだ」と説明している。

 Darkodeはパスワードがないと参加できないフォーラムで、中ではマルウェア、ボットネット、世界中から不正に取得した個人が特定できる情報が売買されていたとFBI(連邦捜査局)のMark Giuliano副長官は述べている。

 捜査は「Operation Shrouded Horizon」(シュラウデッド・ホライゾン作戦)として、FBI、Europol(欧州刑事警察機構)、European Cyber Crime Center(EC3:欧州サイバー犯罪センター)が展開した。ブラジル、カナダ、スロベニア、スウェーデン、英国など20カ国が協力し、これらの国々に分散する計70人のDarkodeメンバーおよび関連する者を調べたという。「オンラインのサイバー犯罪フォーラムを狙って各国の警察が協力する取り組みとしては過去最大」という。

 逮捕されたメンバーのほとんどが20代だ。米国で起訴されたのは12人。英国やその他の国も入れると逮捕者数は28人にのぼる。捜索はなお継続中だ。

(岡田陽子=Infostand)