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IEに引退の時? Microsoftがブラウザ改革に着手

 今もなおシェア50%を超えるMicrosoftのブラウザ「Internet Explorer(IE)」が引退の時を迎えそうだ。Microsoftの幹部が次期OS「Windows 10」で登場予定の「Project Spartan」(開発コード)は別のブランド名で展開する方針を明らかにした。ブランド名の変更により、IEに付随するネガティブなイメージを一掃する狙いとみられている。

新しいブラウザ「Spartan」

 SpartanにIEブランドを使わないことは、Microsoftの最高マーケティング責任者、Chris Capossela氏が3月16日、米アトランタで開催したイベントで明らかにした。The Vergeなどによると、Capossela氏は「Windows 10で導入するブラウザ向けに新しいブランド、あるいは名称を探しているところだ」と発言。「Internet Explorerの提供も継続する。だが“Project Spartan”というコード名の新しいブラウザも用意する。これに名前をつけなければならない」とし、IEを継続していくとも説明した。

 MicrosoftがProject Spartan開発を公表したのは今年1月後半。Windows 10向けに書き直したモダンな機能を持つWebブラウザで、IEのレンダリングエンジン「Trident」から、新たに「Edge」というエンジンを搭載し、速度、相互運用性、信頼性などの点を改善するとしている。Microsoftのオンラインプラットフォームとの統合も特徴で、音声アシスタントの「Cortana」を利用して検索することも可能という。

 もちろん、Windows 10はモバイル端末や「モノのインターネット」(IoT)も視野に入れたOSであり、Spartanもキーボードやマウスを使った入力だけでなく、タッチやジェスチャーベース、音声、センサーなどに対応するとしている。

 Microsoftは3月18日にWindows 10の最新のビルド(Build 10041)を公開したが、この中にSpartanはまだ含まれていない。

(岡田陽子=Infostand)