週刊海外テックWatch

巨大AI投資が金融市場を揺るがす ハイパースケーラーは借金経営へ
2026年1月13日 11:30
新しい年を迎え、AI投資は落ち着くどころか加速している。「ハイパースケーラー」5社の2026年の総設備投資(Capex)は6000億ドルを超える見込みという。この規模は、もはやテクノロジー業界だけの話にとどまらず、世界の金融市場の構造をも揺るがすほどだ。同時に、潤沢な自己資金を誇ってきたビッグテックは一斉に外部資金に頼る借金経営にかじを切っている。
前例なきAI投資ブーム
クリスマス直前の12月22日、Googleの親会社Alphabetは、データセンター事業者Intersect Powerを47億5000万ドルの現金で買収すると発表した。金額非公開の負債も引き受ける。Intersectは再生可能エネルギー開発を手がけており、Googleのデータセンターに専用の電力を供給する。ビッグテックがエネルギー開発会社を直接買収した初のケースとしても注目された。
12月31日付のBloombergは、xAIが「Colossus」と呼ぶ巨大データセンターの拡張で、新たに土地と建物を取得したと伝えた。稼働中・建設中の施設と合わせて2GW(ギガワット)の規模となり、100万基のGPUが稼働。GPU調達額だけで300億ドルから400億ドルになるという。
もはやAIと付けば、どんな金額であっても驚きを感じなくなり、感覚がまひしているようだ。
金融情報サービス企業CreditSightsのレポートによると、トップ5ハイパースケーラー(Microsoft、Amazon、Alphabet、Meta、Oracle)の設備投資総額は、2026年に6020億ドルに達するという。
これは2024年の約2560億ドルから、わずか2年で2倍以上に膨れ上がる驚異的な伸び率だ。この約75%、額にして約4500億ドルがAIインフラ(サーバー、GPU、データセンター等)に直接関連するものだという。
三菱UFJフィナンシャル・グループのMUFG Americasも同様の数字を予想しており、5社だけで業界の全投資額の半分程度を占めると推測している。6000億ドルは日本円では約90兆円。2026年度の日本の一般会計予算が122兆3000億円なので、その7割超というとてつもない額だ。
Goldman Sachsはハイパースケーラーの設備投資額(企業を特定せず)のウォール街のコンセンサス予想(市場の平均的な予測)は総額で5270億ドルだと説明している。ただし、なお過少評価の可能性があり、7000億ドルに上振れする可能性があるとも指摘している。