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社内から新CEOを選んだMicrosoft Satya Nadella氏の課題は (「無難な選択」、だが市場は喜ばず)

「無難な選択」、だが市場は喜ばず

 市場はNadella氏をどうみているだろう。

 Wall Street Journalが紹介するFEBとMKM Partnersのアナリストは、それぞれ「無難な選択」と評価するが、同時に「外からの変革推進者を望んでいた投資家にとっては、失望だろう」(MKM PartnersのIsrael Hernandez氏)と社内事情だけでは済まないことを指摘する。GartnerのDavid Mitchell氏はPC Worldへのコメントで「良い選択だが、完璧ではない」と述べ、短期的に大きな変化はないだろうと予想している。Ballmer氏が引退を発表した時に約8%上昇したMicrosoft株は、Nadella氏のCEO就任発表当日に約0.6%下がった。

 投資家がこの人選をいぶかるのに対して、Microsoftをよく知るウォッチャーたちは好意的だ。「All About Microsoft」としてMicrosoftの動向を追うMary Jo Foley氏は「外部から来た人がMicrosoftでうまく生き残った例は少ない」と述べ、インサイダー、それも勤続20年以上のベテランを選んだ判断を評価した。

 同じくMicrosoftウォッチャーであるThe RegisterのGavin Clarke氏は、Nadella氏がWebやクラウドなどMicrosoftのコア(OfficeとOS)とは違う分野を見てきたことに触れながら“内部のアウトサイダー”と呼んだ。The Guardianは、CEO発表時にMicrosoftがWebサイトに掲載したNadella氏の写真などから「新しい外見」「Bill GatesとSteve Ballmerにないものを全て持っている」として、フード付きの服などの「クールでテッキーな外観」と印象を評価する。

(岡田陽子=Infostand)