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社内から新CEOを選んだMicrosoft Satya Nadella氏の課題は

 2015年で創業40周年を迎えるソフトウェアの巨人Microsoftを率いる新CEOが決まった。Steve Ballmer氏が引退を表明して半年、外部の経営者など大勢の名前が挙がったが、結局、勤続22年のベテラン社員、Satya Nadella氏が3代目CEOとなる。会長を退任して技術アドバイザーとなるBill Gates氏の後ろ盾を得ての船出だが、その前途を楽観する声は少ない。

インド出身で勤続22年の社員

 Ballmer氏が昨年8月に引退を表明して6カ月。同社は2014年早々に新CEOを発表したいとしていたので、ほぼ予定通りに事が運んだといえる。その間に挙がった名前は、社外から、FordのCEO、Alan Mulally氏、EricssonのCEO、Hans Vestberg氏ら、Skype経由でMicrosoftに入社したTony Bates氏や元Microsoft社員でNokia経由でMicrosoftに入社するStephen Elop氏ら、さらに社内から複数の幹部の名が出ていた。その中にNadella氏の名前もあったが、Elop氏やBates氏ほど話題にはならなかった。

 14年間Microsoftを率いてきたBallmer氏は同日付けでNadella氏にCEOの座を譲った。同時に、Gates氏も取締役会長を退任し、元SymantecのJohn Thompson氏が後任となる。今後、Gates氏は技術アドバイザーとしてNadella氏のサポートに回るとしている。

 CEO探しの過程で存在感が薄かったNadella氏とは、どんな人物だろう――。1992年にSun MicrosystemsからMicrosoftに入社。サーバー部門、ビジネスソリューション部門、そしてオンラインサービス部門研究開発で上級副社長などを歴任、「Bing」の開発と製品化に携わった。直近ではサーバー&ツール事業部門の責任者を務めており、2013年夏の「One Microsoft」に伴う事業再編では、クラウド&エンタープライズ部門担当上級副社長に選ばれた。

 インド生まれの47歳。クリケットと詩を愛するというNadella氏は、就任に合わせて発表した従業員あての電子メールでオスカー・ワイルドの言葉をもじり、「不可能を信じる、できそうにないという考えを取り除く必要がある」と記し、その教養あるところを見せている。

(岡田陽子=Infostand)