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Motorola買収の損得 GoogleがLenovoに29億ドルで売却 (米国安全保障面の審査は)

米国安全保障面の審査は

 LenovoのMotorola買収は、おおむね的確な戦略と受け止められているが、障害も予期されている。米国政府は中国企業によるハイテク企業の買収に強い監視の目を光らせており、審査を担当する対米外国投資委員会(CFIUS)がすぐにゴーサインを出すかについて、各メディアが課題として挙げている。

 だが、それほど問題にならないだろうとの見方もある。Wall Street Journalによると、Compass Point Analyticsの社長で政府の諜報機関に勤務経験のあるJonathan Gafni氏は「米政府は米国のテレコムネットワークへの中国の投資に注目しており、CFIUSはもちろんLenovoとGoogleの取引を精査するだろう」としながらも、「国家保安のリスクを緩和する方法があるだろう」と述べ、取引をつぶすことにはならないだろうとみている。

 携帯電話の歴史をつくってきた一方の老舗NokiaはMicrosoft傘下になった。そしてMotorolaはLenovoの下で再生を目指す。携帯電話メーカーの凋落と、PC企業の生き残りをかけた再編が続いている。

 1973年に歩きながら通話できる電話を開発して“携帯電話の生みの親”と言われ、Motorolaの幹部を務めたこともあるMartin Cooper氏はWall Street Journalに「驚いた。非情に悲しいことだ」とコメントした。Cooper氏はGoogleの下でMotorola再生を信じていたという。

岡田陽子=Infostand