Motorola買収の損得　GoogleがLenovoに29億ドルで売却 (「Lenovo＝Android工場」)

「Lenovo＝Android工場」

　では、Motorola売却はAndroidエコシステムにとっては何を意味するのだろう。

　Googleがハードウェア事業を持つことで、Samsungなどの他のハードウェアメーカーとの間であつれきが生まれていた。ここでMotorolaを手放せば、緩和につながるとWall Street Journalはみる。「GoogleはMotorolaを独立した事業として運営しようとしている。だが、他のスマートフォンメーカーの幹部は、ハードウェアで競合する相手ソフトウェアに依存する状況を好ましく思っていない」とする。

　Motorolaを手放すことができれば、Googleはハードウェアメーカーに「競合しない」というメッセージを伝えることができる。さらには、LenovoがAndroidを積極的に利用することになるため一石二鳥だ。「事実上、LenovoをAndroidの工場にすることになる」とNew York Timesは述べている。Wall Street Journalは「GoogleはSamsungの独占状態をオフセットする新しいAndroidメーカーの誕生を支援できる」とも分析する。

　GoogleのPage氏は「LenovoはMotorolaをAndroidエコシステムのメジャープレーヤーにするための経験と実績がある」と述べ、LenovoがIBMのPC事業買収から最大手PCメーカーに成長したことも念頭に置いていることを示した。

　取引を受け、Googleの株価は2％上昇した。株主はMotorola売却に好意的な判断を下したようだ。