Infostand海外ITトピックス

IaaS市場の第2フェーズへ Google Compute Engine正式提供

 GoogleがIaaSの「Google Compute Engine(GCE)」の一般提供(GA)を開始した。IaaSの市場は、Amazon Web Services(AWS)が切り開き、現在も独占状態にある。その中へ切り込みを目指すGoogleのサービスで、発表から約1年半を経ての投入となる。GoogleがAWSの牙城を切り崩せるかが、また浮上してきた。

GA版で大幅強化

 Google Compute Engine(GCE)は仮想マシンやストレージなどのコンピューテイングリソースを必要なだけ利用できるIaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)製品だ。顧客はGoogleのインフラ上で動く仮想マシンを利用して処理を実行できる。GoogleがGCEを最初に発表したのは、2012年6月の開発者向けイベント「Google I/O」で、限定サービスを経た後、2013年5月に公開ベータとなり、12月2日にGAになった。

 これに合わせ、GoogleはGCEの機能強化と値下げも発表した。機能面では、これまでDebianとCentOSのみのサポートにとどまっていたOSを拡充し、SUSE Linux、Red Hat Enterprise Linux(限定プレビュー)、SELinux、CoreOS、FreeBSDも利用できるようになった。また、コンテナ技術のDocker、RubyクラウドサービスライブラリのFOG、それにxfs、aufsなどのファイルシステム対応も発表している。

 またインスタンスの種類も増やし、16コア/RAM 104GBが限定プレビューとして加わった。サービスやサポートも強化。新サービスとしてはライブマイグレーションの「トランスペアレント・メンテナンス」、仮想マシンの自動再起動を導入した。サポートは24時間365日体制でアクセスでき、SLA(サービス品質保証)は99.95%を約束する。

 さらに価格は、標準インスタンスを全リージョンで10%値下げしたほか、ストレージの「パシーシスタントディスク」では1GBあたりの料金を60%値下げし、I/Oにかかる料金は無料にした。

(岡田陽子=Infostand)