Infostand海外ITトピックス

オープンなハードウェアを実現? 組み立て式スマートフォン「Project Ara」 (Googleの狙い)

Googleの狙い

 ところで、Project AraはGoogle/Motorolaにとって何を意味するのだろう。

 Motorolaは2012年にGoogleに買収された後も赤字が続いている。再生を狙った最新スマートフォン「Moto X」はそれほどの人気を得られず、最新の2013年第3四半期(7-9月)には2億4800万ドルの赤字を計上している。

 Washington Postでテクノロジー担当のBrian Fung氏は、Googleの視点からProject Araを分析する。「ハードウェアのAndroid」とMotorola自身が公言しているように、ソフトウェアのAndroidに続いて、ハードウェアのProject Araでエコシステムをハードウェアに拡大するわけだが、これは「(分解が難しく閉鎖された)iPhoneとは正反対」とする。

 Fung氏は「謎めいていてて秘密主義であることがiPhoneを魔法のように見せている」と指摘。「Motorolaはコンシューマーが、もっとアクセスしやすいスマートフォンを受け入れることに賭けている」と対比する。

 FierceWirelessは「Androidエコシステムのさらなる成長」こそがGoogleの狙いとみる。そしてMotorolaは、世界最大のシェアを誇るSamsungなどの統合ハードウェアモデルを崩壊させることを狙っているのではないか、と続ける。であれば、Androidのために直接競合が難しいメーカーと競争するにあたって、モジュール型のベースとしてコンポーネントメーカーの支持を集めてエコシステムを作る戦略をとった、と見えなくもない。

 Project Araは数カ月内にモジュールを開発するサードパーティ開発者の招待を開始し、今冬中にモジュール開発キット(MDK)のアルファ版をリリースする予定という。

岡田陽子=Infostand