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ファッションとテクノロジーの“共通解” AppleのBurberry CEOスカウト (Jobs氏との共通点「コントロールフリーク」)

Jobs氏との共通点「コントロールフリーク」

 ヘッドハンターBuchanan Harveyの会長、Samuel Johar氏はFinancial Timesに、「プレミアム分野の経験があり、技術にも抵抗がなく、アメリカ人だ。文化的にもフィットするだろう」とAhrendts氏を評価する。Cook氏の大胆な起用を支持する声は多いが、その一方でいくつかの懸念も見られる。

 たとえば、Reutersは、AppleはBurberryとは異なり、ガジェットという狭くて厳密なポートフォリオを取り扱うことになる、という課題を挙げる。売上規模も、AppleはBurberryの50倍で大きく異なる。Financial Timesは、Burberry時代はCEOとして製品やブランドをすべてコントロールできたが、Appleではオンラインショップと店舗とディストリビューション部分のみしかコントロールできない点を不安材料とする。

 Reutersが挙げたもう1つの懸念が、秘密主義といわれるAppleの社風だ。幹部の多くが生え抜きであり、外部で実績をあげて入社した人の中には、Appleに馴染めないと感じる人も多いのだという。

 とはいえ、Ahrendts氏がAppleに溶け込める要因もある。Financial Timesは、Jobs氏とAhrendts氏は、何でも自分の思い通りにコントロールしないと気が済まない「コントロールフリーク」という点で共通しているとも指摘する。ベストフィットを予感させる題材はほかにもある。Wall Street Journalの2010年のインタビューでAhrendts氏は、ライバルについて「GucciやChanelなどは視野に入れていない」と述べ、「モデルとして意識している企業があるとすれば、Appleだ」と述べているのだ。

 New York Timesによると、Adrendts氏はCook氏の後継としても期待されているという。Adrendts氏がAppleで任務に就くのは2014年春からの予定だ。

岡田陽子=Infostand