Infostand海外ITトピックス

クラウドで「機が熟した」 OracleとMicrosoftの提携

 MicrosoftとOracleが提携した。ソフトウェア業界で1位と2位、激しい競合で知られる両社が固い握手を交わすことになった。MicrosoftのクラウドでOracleのソフトウェアを利用可能にするという内容で、共通の顧客をはじめクラウドユーザーには朗報となる。クラウドがエンタープライズでも主流技術となる中、時代をつくってきた大手にも再編の波が押し寄せてきた。

AzureでOracleソフトウェアを認定

 MicrosoftとOracleが6月24日に発表した提携は、全てクラウドに関するものだ。

 OracleはMicrosoftの「Windows Azure」「Windows Server Hyper-V」で、自社ソフトウェアの認定とサポートを提供する。既に「Windows Server」で対象のOracleソフトウェアを動かしている企業に対しては、「ライセンスモビリティ」としてWindows Azureでも利用できるようにする。

 MicrosoftはWindows AzureのIaaSでOracleソフトウェアの事前設定済みのインスタンスを提供。ライセンスを持たない顧客に向けてOracleソフトウェアを利用できるようにする。対象となるOracleソフトウェアは、「Oracle Database」、アプリケーションサーバーの「Oracle WebLogic Server」「Oracle Linux」、それにJavaとなる。

 OracleとMicrosoftは、データベースなどの分野で激しく競合してきた関係だ。特に、歯に衣着せぬ物言いで知られるOracleのCEO、Larry Ellison氏は公の場でMicrosoftを批判することはしばしば。2000年ごろには反トラスト法訴訟でMicrosoftと対立した際は私立探偵を雇い、Microsoftのゴミから情報をかき集めた「トラッシュゲート」などの事件もあった。この犬猿の仲とされてきた両社が手を結んだのだ。

(岡田陽子=Infostand)