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クラウドで「機が熟した」 OracleとMicrosoftの提携 (クラウドで動くアプリ認定が次の戦場に)

クラウドで動くアプリ認定が次の戦場に

 この提携に対し、多くは肯定的な見方を示している。例えば、Forresterのアナリスト、James Staten氏は両社それぞれのメリットを分析している。

 Microsoftにしてみれば、Oracleソフトウェアが動くことは、仮想化のHyper-Vで競合するVMware、それにクラウドで競合するAmazon Web Services(AWS)の2大ライバルに対抗することになる。例えばJavaがサポートされる仮想化はOracleの「Oracle VM」のみだったが、これにHyper-Vが加わることになる。

 Forresterの調査によると、Javaは、Microsoftの.NET、HTML/JavaScriptとともに、クラウドで利用したい言語のトップ3に入っているという。AWSとの対抗と言う点では、Oracleは既にAWSと同様の提携を結んでおり、MicrosoftはAWSに追いつくことになる。

 MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏は、Javaは既にWindows Azureでサポートされているが、今回の提携でHyper-Vが加わる点、Azure上で動くアプリケーションが増えることを強調。「次の戦場はクラウドアプリ認定をめぐる戦いになる」と述べている。Azureを魅力的なクラウドにするには、認定されているソフトウェアが多い方が顧客を引きつけるはずだ。

 ではOracleのメリットは何だろう? 顧客がクラウドでも自社ソフトウェアを使い続けられるメリットはもちろん、ForresterのStaten氏は、Bring Your Own License(BYOL)だけでなく、従量課金型(Pay Per Use)で利用できるようにする点を評価した。Staten氏は「BYOLは従量課金型のクラウドプラットフォームでは理想的ではない」と言う。

 また、データベースやミドルウェア分野で安価なオープンソース技術がたくさん生まれており、高価なOracleソフトウェアの導入の敷居を下げる効果があるとも指摘した。

(岡田陽子=Infostand)