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コーディングレス開発「Vibe Coding」 AIに指示するだけでアプリケーションを構築
2025年3月24日 11:05
「Vibe Coding」がソフトウェア開発の新しい手法として注目を集めている。AIに指示しながらコードを生成し、アプリケーションを構築していくものだ。ユーザーがコーディングの詳細を理解していなくともプログラムが可能で、誰もが開発者になれる。このアプローチにはソフトウェア開発を変える可能性があり、熱烈な支持を得つつあるが、危険や課題もある。
「コードの存在を忘れて、ただ要求を出し続けるだけ」
「Vibe Coding」は、OpenAIの共同創設者でTeslaの自動運転AI責任者としての経験もあるAndrej Karpathy氏が2月3日のXへの投稿で提唱した。「雰囲気」や「感覚」を表す「vibe」とコーディングを合わせた造語で、AIモデルに自然言語で指示してプログラミングすることだ。動作するアプリケーションを構築するのに「コードの存在を忘れて、ただ要求を出し続けるだけ」「完全にその場の感覚に身を任せる」と同氏は言う。
Karpathy氏は、AIコードエディター「Cursor」の「Composer」機能を使ってプログラミングしている。これに音声入力アプリ「SuperWhisper」を合わせて使うことで、キーボードに触れることさえほとんどないという。
New York TimesのコラムニストKevin Roose氏も、自身のVibe Coding体験を記事化した。開発にはAI活用Webアプリ開発ツール「Bolt」を使い、失敗もしながら実用的なアプリケーションをいくつも作ったという。ポッドキャストの要約アプリや家具が車のトランクに収まるか判定するWebサイト、冷蔵庫の内部の写真から弁当のメニューを考えるアプリケーション「LunchBox Buddy」などだ。
Roose氏自身は、10代のころにWebサイトを構築したり、Flashアニメーションに触ったことはあるが、Python、JavaScript、C++の一行も書くことができない、と胸を張る。それでも「コーディングの知識は必要なく、アイデアと少しの忍耐があれば、たいていは十分」「見て、言って、実行し、コピー&ペーストしているだけだが、ほとんどの場合うまくいく」と感想を述べている。