ニュース
NTTドコモビジネス、AIエージェント自身の信頼性を確認する仕組みの技術検証を開始
2026年5月13日 13:24
NTTドコモビジネス株式会社(旧:NTTコミュニケーションズ)は12日、AIエージェント同士が自律的に取引や連携する社会を見据え、AIエージェント自身の信頼性を確認する仕組みの技術検証を開始したと発表した。検証では、AIエージェントの属性情報を一元的に管理・検証するAIエージェント属性情報レジストリ(仮称)のプロトタイプを開発し、その有効性を確かめる。
NTTドコモビジネスは開発の背景として、特定の業務を自律的に実行するAIエージェントの活用が広がっていると説明。さらに近年では、複数のAIエージェントが連携して複雑な業務を完結させるマルチAIエージェントも台頭しており、AIエージェント間の通信規格「Agent2Agent Protocol(A2A)」の登場により、人間を介さずともAI同士が経済活動を自律的に行う世界が現実のものとなりつつあるとしている。
一方で、従来の人間中心のセキュリティ対策では防ぎきれない、AI特有の新たなリスクへの対処が急務となっており、特に企業がAIエージェントを用いたサービス連携や自動取引を導入する際には、相手となるAIの開発主体や権限を客観的に確認できない現状が、実運用上の課題という。
こうした背景を踏まえ、NTTドコモビジネスは、AIエージェントの信頼性を担保する属性情報を一元的に登録・管理・公開できる基盤となるプロトタイプを開発し、技術検証を開始した。
プロトタイプでは、AIエージェントの身分証明書にあたる「AgentCard」を用いて、属性情報を集約・管理する。検証ではこれを活用し、AIエージェントそのものの振る舞いを直接保証するのではなく、その発行・運用主体や実行権限に関する属性情報をデジタル証明書の標準規格であるVerifiable Credentials(以下、VC)により検証可能にすることで、AI主体のデジタル取引における信頼性向上を目指す。これにより、サービス提供者がAgentCardをレジストリに登録する際、発行元の正当性を保証し、なりすましや改ざんの検知を可能にする仕組みを実装する。
管理の対象となる属性情報は、アイデンティティ情報(AIの開発者・運用主体、運用環境の所在国、データの流用ポリシーなど)から、実行権限の正当性である決済やデータアクセスなどまで多岐にわたる。これらを取引時に検証可能にすることで、AIエージェント同士が互いの信頼性を確認し合い、自律的かつ安全に経済活動を完結できるデジタル社会基盤の構築を目指す。
NTTドコモビジネスは今後、開発したプロトタイプをデジタルIDウォレットやVCの発行・検証機能と連携させ、より実用的なトラスト基盤へと拡張していく。合わせて、顧客やパートナー企業、国内外の関連団体との共同実験を企画・実施し、実際のビジネスシーンにおける運用性や有効性の検証を加速させる。
また、プロトタイプの信頼性をより強固なものにするため、NTT株式会社が培ってきた高度なデジタルトラストおよびAI関連技術(マルチパーティ選択的開示技術、ウォレットの分散鍵管理技術、水平連合学習技術)を順次取り込んでいく。
