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コーディングレス開発「Vibe Coding」 AIに指示するだけでアプリケーションを構築

スタートアップでの急速な普及

 Vibe codingを可能にしているのは、AIプログラミング支援ツールだ。AIコーディングはGitHub Copilotでメジャーになったが、ほかにもKarpathy氏が使用しているCursor ComposerやRoose氏のBolt、さらにReplit、Cline (旧Claude Dev)、Zedなどが次々に登場している。

 また、チャットボットでもChatGPTのCanvasや、3月リリースのGoogle Gemini Canvasなどが利用できる。いずれも普通の言葉で指示するだけで、プログラム言語の構文や面倒な決まり事を意識せずにアプリケーションを作れる。

 Roose氏のように、趣味でプログラムをする人がどれくらいいるのか正確には分からない。だが、Ars Technicaは、この手法が、「オンライン上でゲームのプロトタイプを素早く作成する楽しい方法として特に注目を集めていることは確か」としている。

 一方、プロ開発者にははっきりと影響が出ているようだ。シードアクセラレーターY CombinatorのCEO、Garry Tan氏は、CNBCのインタビューで、Vibe codingがスタートアップの状況を変えていると語っている。

 同氏によると、少人数のチームで大きな収益を上げることが可能になり、10人のチームが以前の100人分の仕事ができるようになったという。「10人以下の従業員で年間100万ドルから1000万ドルの収益を上げている企業が現れている」。そしてこれは「初期段階のベンチャーでは、これまで全くなかったことだ」とTan氏は述べている。