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コーディングレス開発「Vibe Coding」 AIに指示するだけでアプリケーションを構築
2025年3月24日 11:05
Vibe Codingに潜む危険性
Vibe Codingは、「コードの詳細を理解せず、AIによって生成されるプロセスを受け入れる」ことを基本とする。開発をスピードアップし、プログラマーのすそ野を大きく広げる可能性はあるが、同時にリスクもあると専門家は言う。
グラフィックデザインツールCanvaのCTO(最高技術責任者)Brendan Humphreys氏は「品質、安全性、長期的な保守性を重視するなら、Vibe codingを製品に使ってはならない」とくぎを刺す。
同社の実験では「ツールが生成したコードには、表面的な(スタイルの一貫性の欠如)ものから、危険な(不正確、安全性に欠ける、パフォーマンスの低いコード)ものまで、一貫してエラーがあることが明らかになった」という。
AI研究者のSimon Willison氏はブログで、「私は本当にVibe codingを楽しんでいる」としながらも、Vibe codingには実稼働環境用の保守可能なコードを生成できない欠点があると述べている。「Vibe codingでプロダクションコードベースを開発するのは、明らかに最悪のアイデアだ」と厳しい。
またWillison氏は、Vibe codingで起こる「技術的負債」(Technical Debt)の懸念も指摘している。開発速度や短期的な効率を重視するあまり、将来の修正やメンテナンスに悪影響が出るという問題だ。
Vibe Codingはホビーユーザーの便利なツールで終わるのだろうか、それともソフトウェア開発の主流になってゆくのだろうか――。