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活発化するウェアラブルAIデバイス “AIを持った次のiPhone”狙う

レビューは散々、「最悪のプロダクト」とも

 通信機能を備えたことからも、うかがえるが、Ai Pinが目指すのは「脱スマホ」だ。

 Humane AIは、元Apple幹部のImran Chaudhri氏とBethany Bongiorno氏が創業した。Chaudhri氏はデザイナーとしてMacintosh、iPod、iPad、Apple Watch、iPhoneなどの開発に参加。特に、iPhoneのユーザーインターフェイスとインタラクションの設計をしたことで知られる。

 Bongiorno氏の方も、iOSとmacOSのソフトウェアプロジェクト管理全般を担当した。どちらもモバイル分野で申し分のない経歴だ。

 そんなことから、投資家の期待も高く、知られているだけで2億3000万ドルを調達しており、出資者にはOpenAIのCEO、Altman氏も含まれる。評価額は、まだ製品を発表する前の2023年に評価額が8億5000万ドルに達した。

 ところが、そのHumane AIが窮地にあるらしいことが分かった。

 Ai Pinの発売から6カ月後の5月22日、Humane AIが身売り先を探しているとBloombergが報じた。消息筋の情報で、7億5000万ドルから10億ドルでの売却を狙っているという。

 何があったのだろう? 少なくともレビューは芳しくなかった。著名なガジェットレビュー家である”MKBHD”ことMarques Brownlee氏は「今のままでは、自分がレビューしたなかで最悪のプロダクトだ」と断言した。返答時間が遅い、バッテリーがもたない、発熱する、重すぎる、投影が暗い、といった点を挙げている。

 The Vergeもレビューで酷評している。数々のバグを指摘しながら「半分ぐらいは機能しない。機能しても遅い」「買うべきか? 答えは簡単で、ノー、ノー、ノーだ」と述べている。そして、「Ai Pinは面白いアイデアだが完成にはほど遠く、許容できないレベルでぶっ壊れている」と厳しい。