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「ゴミ箱」とセキュリティ研究者が酷評 Microsoft Recallの変更の顛末

 Microsoftが大型新製品「Copilot+ PC」の目玉機能の一つ「Recall」をデフォルトからオプトイン式に変更すると発表した。Recallは過去にPC上で見たものを記録してAI機能で検索し、「見たはずだが、どうしても思い出せないアレ」を瞬時に教えてくれる機能だ。しかし、発表直後からこの機能にはセキュリティ上の懸念が噴出。Microsoftはサービス公開直前で大幅な変更を余儀なくされた。

「Copilot+ PC」の目玉機能を大幅アップデート

 「Copilot+ PCのセットアップをアップデートして、Recallを使用したスナップショットの保存を選択式にします。積極的にオンにすることを選択しない場合は、デフォルトでオフになります」。6月7日付の公式ブログへの投稿で、Windows and Devices担当バイスプレジデントのPavan Davuluri氏はこう説明している。

 同社は5月20日の「Copilot+ PC」の発表でRecallを発表した。「アプリケーション、Webサイト、ドキュメントなど、どんなものでも、時間を超えてスクロールし、タイムラインで必要なコンテンツを見つけられる」機能で、「Outlookの特定のメールやTeamsの適切なチャットなど、あなたがいた場所に戻れる」という。

 Recallは、Windows Copilotランタイムで動作するプログラムで、アクティブな画面のスクリーンショットを5秒間隔で取得する。データはクラウドに送信することはなく、あくまでユーザーのPC内に暗号化して保存されるという。

 過去のスナップショットの表示は、タイムラインで選択するか、全てのアプリからキーワードにヒットした検索結果を表示する。検索は完全に一致するものだけでなく、関連するとみられる語(例えば、ヤギチーズのピザには、ラザニアやカンネローネも候補となる)にも対応する。

 7日に発表したアップデートでは、オプトイン化のほかに、Recallの有効化にWindows Helloの登録を必須とすること、ユーザーが認証されたときのみスナップショットが復号化されアクセスできるようにすることも追加された。

 Copilot+ PCは、6月18日にプレビュー版を公開する予定だ。ブログでMicrosoftは、「顧客のフィードバックに耳を傾け、行動する」との姿勢を強調した。