Infostand海外ITトピックス

Appleは生成AI対応iPhoneをついに投入するのか 迫る「WWDC」

“GeminiPhone”は、検索での提携とは違う

 Appleの生成AIでの遅れは、2023年後半から指摘されてきた。

 株主からの圧力を感じてかTim Cook CEOは2023年11月、決算発表の電話会議で生成AIへの取り組みを強調した。今年2月の四半期決算の際には、年内にAI関係で何らかの発表を行うと述べている。

 一方で1月には、Siri開発の重要な部分を担うチームがカリフォルニア州からテキサス州に移動させると報じられ、AI部門でなんらかの再編を行っているらしいことも明らかになった。

 AppleとGoogleの提携が実現すると、大型契約になる。BloombergのコラムニストDave Lee氏は、これは「短期的に両社の頭痛を解決するものになる」と言う。「永遠の友(AppleとGoogle)は今、互いのサポートを必要としている」のだ。

 “GeminiPhone”とLee氏が呼ぶ提携によるiPhoneが実現すれば、Appleはユーザーに最先端のAIを提供できる。

 Googleにしてみれば、GeminiPhoneは「Google Pixel」やSamsungの最新作「Galaxy S24」に続くAIスマートフォンになる。20億とも言われるiPhoneユーザーが、Geminiの潜在ユーザーになるわけだ。Appleユーザーにリーチして豊富なデータを集めることができ、Geminiの優位性に役立つ。

 だがAppleにとって、よいことばかりではない

 Appleは自社で生成AI機能を構築したかったが、モデルを訓練するための巨大なサーバーが手元になく、取り残された。提携が実現したとしても、SafariとGoogle検索のようにAppleに有利なものになることはない、とLee氏はみる。

 実際、報道を受けてAlphabetの株価は4%上昇した。

 WWDCの開催まで2カ月ある。水面下の動きはまだ続きそうだ。