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EUC事業売却にSymantecとの統合 VMwareの新しい方向性

 VMwareの「エンドユーザーコンピューティング」(EUC)部門が投資会社のKKRに売却されることが決まった。BroadcomはVMwareの買収完了以降、人員と製品の両面の再編を続けており、その最新の動きとなるものだ。そしてBroadcomのHock Tan CEOは、VMware事業に自信を見せている。

EUC事業の存続でパートナーから安堵の声

 EUC部門の売却は2月27日に発表されたもので、売却額は約40億ドル。KKRはプライベート・エクイティ企業で、買収後のEUC部門は独立した事業体として運営されるという。昨年11月にBroadcomがVMwareの買収を完了したあと、仮想デスクトップを含むEUC部門は、その存続が危ぶまれていた。

 発表したVMware EUCブログによると、「Workspace ONE」「Horizon」などのデジタルワークスペースプラットフォーム製品や、データとインテリジェンスを用いて自律型のワークスペースを実現するというビジョンへのコミットに変わりはないという。

 新組織は、VMware時代からEUC部門を率いてきたShankar Iyer氏が引き続き統括する。同氏は、営業、サービス、サポートについても強化することを約束している。

 こうした動きを、顧客やパートナーは歓迎しているようだ。

 パートナー企業のVirtuITでCTOを務めるJoshua Lee氏は「Broadcomが売却先を探すことを明らかにして以来、EUCビジネスは完全に止まっていた」とCRNに述べている。同社にとってVDI(仮想デスクトップインフラ)は大きな事業で、顧客のサポートだけでなく自社でも利用しているという。

 その先行き不透明感から「代替案としてAzure Virtual Desktopを検討し始めたところだった」とも述べ、このタイミングでEUCの行方が決まったことを歓迎する。

 同じくパートナーのControlUpのJed Ayres CEOも「VMwareのEUC事業の麻痺状態は解消された」と安堵の声を漏らしている。