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AmazonがMicrosoft 365顧客に 10億ドルのメガ取引をどう見るか

生成AIが後押し?

 他メディアはこの報に後を追ったが、事実確認も含めて追加情報は出ていない。コメント要請に対して、両社は無回答か、「顧客との契約に関係する臆測にはコメントしない」(The Register)と拒否で通している。

 それにしてもAmazonにとっては大きな決断となるはずだ。同社の業務に詳しい人物は「競合他社のクラウド上に何かを保存するようなことはしたくなかった」と述べているという。このことから「Amazonには急進的な動きであり、Microsoftには大きな”ウィン(勝ち)”」(Business Insider)という見方ができる。

 また、Amazonにはオンライン会議「Chime」やオンラインストレージの「WorkDocs」、メールの「Amazon WorkMail」など、MicrosoftのOfficeと一部対抗する製品がある。Microsoftの生産性ツールは「Fortune 500の5社に4社が導入している」(The Register)など、デフォルトではあるが、それだけではないメリットがあるはずだ。

 CRNは、AWSの大口パートナー企業幹部の「今年の生成AIブームは、2社にあらゆる面で新しい展望を与えている」とのコメントを紹介する。この人物は「生成AI」が1つの要因とみている。

 AmazonがMicrosoft 365の導入を開始する11月は、MicrosoftがAI機能を盛り込んだ最新版をリリースする時期と重なる。Microsoft Copilotを経由してTeams、Wordなどのアプリケーションで生成AIを利用できるというものだ。

 この企業幹部は、「AWSが技術革新を続けることを信じている」と言う。そして、「AWSは全力でAIにフォーカスしており、Microsoftも(Microsoft)365でAIをプッシュしている。われわれは、AWSがどんな相手でもビジネスで手を結ぶという事実を理解し、それに惑わされないようにしなければならない」と述べている。