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製品戦略を簡素化してAIとクラウド融合へ AIでの底力見せるGoogle

MicrosoftとOpenAIがGoogleを覚醒させた?

 Google CloudのAI戦略に対するメディアやアナリストの評価は高いようだ。

 Silicon ANGLEは、イベントを総括した記事で「バラバラだった取り組みが整理された」とのMonitor Deloitteのパートナー、Gopal Srinivasan氏の評価を紹介する。

 今回、Kurian氏はAIを作る「Vertex AI」と、AIを使う「Duet AI」を紹介したが、「2つに集約することで、顧客はより簡単に活用できる。単なるブランディングではない。GoogleはAI技術を持っているのだ」とSrinivasan氏は述べている。

 また総括では「Google Nextで発表されたのは、まだ同社のAI機能の一部に過ぎない(例えば、Duet AIの機能は今年後半までのプレビューだけ)」のであり、さらに多くのサービスの投入を予想している。「GoogleはクラウドとAIの融合に取り組んでいる」というのがSilicon ANGLEの見立てだ。

 こうしたGoogleの活発な動きのきっかけになったのが、昨年末の“ChatGPTショック”だ。

 GoogleのパートナーであるSada SystemsのCEO、Tony Safoian氏はCRNに対し、「MicrosoftとChatGPTはGoogleに最高の贈り物になった」と言う。「(ChatGPTショックで)Googleが10年前から自社のために使ってきたAI技術を、外部に提供することにつながった」とSafoian氏は解説する。

 ChatGPTの登場を受けてGoogleは社内に「コードレッド」を発令した。今年4月には、Deep MindとGoogle Research の Brainチームを統合した。また、共同創業者のSergey Brin氏が週に3~4日はマウンテンビューの本社に出て、AI研究者たちと働いていると7月のWall Street Journalは伝えている。

 Brin氏らが取り組んでいるのは、GPT-4に対抗する汎用AI「Gemini」だという。GeminiはDeep MindとGoogle Brain統合の成果で、DeepMindで培ってきた強化学習の技術を活用しており、「GPT-4を凌駕する」とも言われている。リリースは今年後半の見込みだ。