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製品戦略を簡素化してAIとクラウド融合へ AIでの底力見せるGoogle

好調なクラウド事業、「AIファースト」アプローチ

 AIは以前からGoogle CloudだけでなくAlphabetにとっても重要事項だ。Google Cloud Nextで登壇したCEO、Sundar Pichai氏は「AIには少なくとも20年は取り組んできた。7年前からAIファーストアプローチをとっている」とアピールした。

 イベント前のWall Street Journalのインタビューでは、「AIソフトウェアを動かすのに必要なリソースを、積極的に追加している」と述べ、この機を逃さない姿勢を見せている。

 “ハイパースケーラー”の1つであるGoogle Cloudは今年第1四半期、初めて黒字化を果たした。検索広告に依存するGoogleのビジネスモデルの中で、事業の多角化は必須課題だ。AmazonがAWSで、MicrosoftがMicrosoft Azureで進めているように、GoogleもIaaSを重要な収益の柱にすることを狙う。

 IaaSでは、同分野を開拓したAWSが最大手だ。これにエンタープライズ分野で確固たる地位を築いているMicrosoftのAzureが続き、Googleは水をあけられての3位だった。

 とはいえ、8月にSynergy Groupが発表したクラウドインフラ市場のレポートによると、Google Cloudのシェアは11%。30%代前半を固く守るAWSに対して、Microsoftとともに差を縮めつつある。

 Google Cloud Nextの発表内容を分析したSilicon ANGLEは、同社がパートナーシップの構築に注力していることに着目。「オープンなアーキテクチャを実現してエコシステムを導入することが焦点だった」との戦略産業担当バイスプレジデントCarrie Tharp氏のコメントを紹介している。

 基調講演でKurian氏は、SaaS、インフラとプラットフォーム、データプロバイダ、システムインテグレーターなど、10万社以上とパートナー関係を構築していると、各社のロゴをバックに胸を張った。Vertex AIのライブラリ「Model Garden」で利用可能なLLMも100を超えるという。