Infostand海外ITトピックス

成長鈍化にAIとコスト最適化 クラウド大手3社の決算から

「AI」と「コスト最適化」がキーワード

 3社の決算で目立ったキーワードは、「AI」と「コストの最適化」だ。

 AIについては前述の通りで、これまでにない成長要因となる。「ビッグ3に共通するテーマは、AIベースのサービスへの需要が今後の成長につながる可能性が高いことだ」とITコンサルタントのSean Michael Kerner氏は、ITPro Todayへの寄稿で述べている。

 クラウド専門家のDavid Linthicum氏はInfoWorldへの寄稿で、「AI、特に生成AIは膨大な量のストレージと計算能力を必要とし、パブリッククラウドは最も経済的な方法」だと解説する。

 そして、クラウド市場の減速への懸念について、「コロナ禍が始まった時、クラウド市場が崩壊するという見方があったが、現実にならなかった。今回も同じだ」と退けた。

 コスト最適化は、現在のキーワードだ。InfoWorldによると今回の決算発表会見で、AmazonとGoogleは12回、 Microsoftは15回、「最適化」という言葉を使ったという。そして最適化は、成長鈍化につながる要因でもある。

 Tech Crunchは、AmazonのCFO(最高財務責任者)、Brian Olsavsky氏が決算発表で語った言葉を引用する。「大企業顧客は継続してクラウドへのシフトを進めており、同時にAWSと密に協業しながらコストを削減し、自社の業務を最適化する機会を注意深く探している」

 Olsavsky氏は、クラウド市場はあと2~3四半期、成長が鈍化する可能性があるものの、まだまだ成長の余地があるとしている。

 Linthicum氏は、企業がやるべきこととして、「コスト管理」を挙げる。クラウドAI市場が成長すると事業者の料金引き上げと引き下げの両方のシナリオが考えられるとし、パブリッククラウドのコスト管理手法FinOpsを実践するようアドバイスする。

 AIについては、「AIとクラウドの利用について計画を立てるべき」(Linthicum氏)という。