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成長鈍化にAIとコスト最適化 クラウド大手3社の決算から

 パブリッククラウド大手3社の決算が出そろった。インフレ、景気減速懸念、AIの人気爆発など環境の大きな変化のなか、最大手のAmazon Web Service(AWS)、後を追うMicrosoftとGoogle、3社は2ケタ成長を維持し、引き続きクラウドの底力を示したようだ。

️パブリッククラウド市場は前年同期比20%増で成長鈍化

 AWS、Microsoft、Google、3社の第1四半期(1~3月)の決算を見てみよう。

 Amazonの決算発表は4月27日で、AWSの売上高は213億5000万ドルと前年同期比16%増を記録した。GoogleとMicrosoftは4月25日の発表。Google Cloudの売上高は74億5000万ドル(前年同期比28%増)だった。

 Microsoftは、パブリッククラウドの売上高を単独で出していないが、Microsoft365なども含む「Intelligent Cloud」が220億8000万ドル(前年同期比16%増)。このうち「Azureおよびその他のクラウドサービス」の売上高は同27%増だった。

 前四半期(2022年第4四半期)の成長率を振り返ると、AWSが20%増、Azureおよびその他のクラウドが31%増、Google Cloudは32%増だった。

 いずれも第4四半期に伸びが鈍化しており、今回は、その鈍化が継続した数字だったと言える。だが、「クラウドの成長鈍化は驚きではない」「3社は、それぞれの方法で景気の影響を避難した」とCNBCは評価している。

 Synergy Research Groupによると、IaaS、PaaS、ホスティング型プライベートクラウドを合わせたクラウドインフラ市場は第1四半期に630億ドル規模になった。前年同期からは20%の増加となったが、1年前(2022年第1四半期)の32%に比べると伸び率は鈍化している。

 シェアは、AWSが32%、Microsoftが23%、Googleが10%。3社でパブリッククラウド市場の65%を占める。