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ChatGPTは個人情報規則違反か 欧州で規制の波紋

「訓練データに個人情報が含まれていれば違反」

 専門家はどう見ているのか? 英ニューカッスル大学で法、イノベーション、社会学教授を務めるLilian Edwards氏は、「EUでは(ChatGPTが)データ保護法に違反していることは明らかだった」とWiredに語っている。

 GDPRに準拠するためには、「ユーザーの情報を収集・使用するためには同意を得る」、もしくは「データを使用する“正当な利益”がある」の2つの選択肢があるとEdwards氏は解説する。

 だがOpenAIは前者の同意は得てはおらず、後者の「正当な利益」の議論は「非常に難しい」としている。イタリアのGPDPはWiredに対し、後者の議論は「不十分だろう」と回答したという。

 当のOpenAIは4月5日付で「Our approach to AI safety」とするブログ記事を公開した。そこでは、プライバシーの尊重として、トレーニングには、「一般公開されているコンテンツ、ライセンスされたコンテンツ、人間のレビュアーが作成したコンテンツなど、幅広いテキストのコーパス」を利用していると記している。

 また、未成年者への保護として、AIツールの利用は18歳以上に、保護者の承認を得た場合13歳以上に義務付けしていること、認証オプションを検討していること、ヘイト、暴力、アダルトといったコンテンツ生成への利用を禁止していることなどを取り組みとして並べている。

 OpenAIのCEO、Sam Altman氏は命令後すぐに、「もちろんイタリア政府に従い、ChatGPTのイタリアでの提供を停止した(われわれは全てのプライバシー規制に準拠していると考えている)」とツイートしている。