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メタバースの新しい標準化団体設立 Meta、Microsoftらが参加もAppleは不在

 メタバースへの期待が過熱する中、新たな標準化団体が立ち上った。新団体「Metaverse Standards Forum」には、Meta(旧Facebook)、Microsoftなど多くの企業・団体が参加し、「メタバースのためのオープンな標準の開発を支援する」としている。メタバースは、サービス各社ごとに仕様が違うのが現状だ。標準化はユーザーにも開発者にも大きなメリットがある。しかし、いくつかのビックプレーヤーの名前がそこにない。

メタバースの相互運用性のための標準を

 6月21日に発足したMetaverse Standards Forumには、33の企業や団体が参加した。主なメンバーは、社名まで変更してメタバースにかけるMeta、「HoloLens」を持つMicrosoft。「Fortnite」のEpic Gamesや、PlayStationのSony Interactive Entertainment、開発プラットフォームのUnityなどのゲーム関連企業。

 また、チップメーカーのNVIDIAやQualcomm Technologies。VRにも注力している家具大手のIKEA。さらに標準化団体のWorld Wide Web Consortium(W3C)、Spatial Web Foundation、Web3D Consortiumなどが名を連ねている。

 団体をホストするのは、標準規格の作成を目的とする技術コンソーシアムで、OpenGLなどの実績があるThe Khronos Groupだ。

 メタバースと言えばゲームアプリケーションがまず思い出されるが、それだけではない。イベント、会議、教育、スポーツなど、リアルな活動を再現する新しい空間として期待されている。

 新団体は発表の中で、「メタバースを展開するにあたって、どこで相互運用性が欠如しているのか、どのような作業で標準開発組織(SDOs)の取り組みを調整・加速できるのかを探る」と説明している。

 具体的な技術では、インタラクティブな3Dアセットとフォトリアリスティックレンダリング、AR/VR/XRを含むヒューマンインターフェイスとインタラクションのパラダイム、ユーザー生成コンテンツ、アバター/ID管理とプライバシー、財務取引、IoTとデジタルツイン、地理空間システムなどを「メンバー主導の活動とプロジェクト」として挙げている。

 The Vergeは、オープン標準には、異なるプラットフォームで利用できるコンテンツの開発や、データのエクスポート/インポートを容易にするものがあるとした上で、「この団体は、メタバース開発を統一的な分野にまとめることに関心を持っているようだ」と解説している。