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Windows 11からCloud PCを利用  統合進めるMicrosoft

Windowsは全てサブスクリプションに向かう?

 多くのメディアは、今回の発表に意外性はなく、当然の流れとみている。「Microsoftは、今後もハイブリッドワークモデルが続くと考えており、ユーザーの場所にかかわらずCloud PCが利用できるようにする意向だ」(The Register)といった反応だ。

 またTechRadarの事前インタビューでも、Windows Device and App ExperienceのバイスプレジデントAidan Marcus氏が「ローカルかクラウドか、どちらか一方に絞るのではなく、両方を選択可能にして、シナリオを増やすことが重要」と述べている。

 その背景にサブスクリプション化の大きな流れをみる専門家もいる。

 オープンソース分野のテクノロジージャーナリストとして知られるSteven J. Vaughan-Nichols氏は3月の記事で、「Windows 11には、全ての人を『Windows as a Service(WaaS)』を導く仕掛けの兆候が見える」と指摘した。

 Vaughan-Nichols氏は当初、Windows 11には「Windows 10 20H2」(October 2020 Update)と比べて目立った機能がないことから「無意味なアップグレード」と考えていたという。

 しかし、今年2月のアップデートで、サブスクリプション管理がひそかに導入され、Microsoft 365サブスクリプションのステータス、クラウドストレージOneDriveの使用量などが把握可能になったことに気づいた。

 さらにDev Channelで3月に公開された「Windows 11 Insider Preview Build 22567」で、クレジットカード情報を要求の入力を求めるようになったことで納得がいったという。

 Vaughan-Nichols氏は「サブスクリプションと組み合わせることで、Microsoft 365だけではなくWindows自体での支払いが簡単になる」と解説。「Windowsは、もはや一度きりの購入ではなく、永遠にサブスクリプションサービスになる」と予想している。

 そこで気になるのは、今回発表された機能に、コンシューマー向けバージョンが登場するのかということだろう。

 この点を質問したTechRadarに対し、Microsoft 365のゼネラルマネジャーWangui McKelvey氏は、少し考えて、ほほえみを浮かべながら、こう答えたという。

 「この技術で実現できるあらゆる可能性を考えている――。このぐらいにしておきましょう」