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成長継続と新しいトレンド 2022年クラウド予想

プロバイダーの主戦場は業界クラウドへ

 クラウドプロバイダーはパンデミックで利益を得たが、2022年はどうだろう。Forresterは、大企業がクラウドネイティブテクノロジーの採用を加速する中で、次はプロバイダーらが業界クラウドを巡って争うと予想している。

 パブリッククラウドは、まず、その汎用性で採用が進んだが、「現在のハイパースケーラーのサービスは主にマーケティングで差別化されたものであり、互換性があって乗り換え可能」という。

 こうしたクラウドのコモディティ化は、プロバイダーの収益低下につながる。そこで2022年には、銀行などの規制の厳しい業界に特化したクラウド提供で競争が展開されるとしている。「クラウドの購入者にとっての差別化要因は、サービスの幅広さではなく、それぞれの業種で、アプリケーション開発者に、迅速で、良い仕事ができる環境を提供できるか、となる」

 Forresterは合わせて、米中が主導する「クラウド・ナショナリズム」の時代の台頭も予言している。両国の規制当局は現在、それぞれ自国の大手テクノロジー企業に圧力をかけている。2022年には、クラウドプロバイダーが、どこで、どのような事業を行うかまで、国が介入するケースが増えるとの予想だ。