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政府機関からサイバー犯罪組織まで影響 仏データセンター大規模火災

バックアップへの意識が変わる?

 OVHcloudのデータセンター火災は、クラウドの急所を露呈させたと言える。復旧に苦労している顧客は少なくないようで、バックアップの重要性を改めて見せつけた。

 マルチプレーヤーのサバイバルゲーム「Rust」(英Facepunch Studios)のTwitterアカウントは、25台のサーバーにあるプレーヤーの進行データで「復旧はできない」とコミュニティに報告している。

 Klaba氏はツイートで、「無償と有償のFTPバックアップサービスについて、VPS(Virtual Private Server)とBaremetalの顧客は(仏北部の)ルーベーのデータセンターにあり、アクセスできる」と案内している。

 一般的に、クラウドサービスは冗長化などでサーバー障害への対策が行われており、
データを保護する仕組みが備わっている。しかし、データ保護を保証するわけではなく、今回のような火災や大規模自然災害の場合は消失してしまう。バックアップやディザスタリカバリ(DR)は顧客側で行わねばならない。

 とはいえクレームもあるらしく、Klaba氏は「顧客の中には何を購入したのかを理解していない顧客がいる」と2回目の動画で述べている。

 また同氏は「この事件を受け、われわれはサービスの提供方法を変える」と約束。「今後デフォルトで、無償で、セキュリティをさらに強化し、バックアップのセキュリティも強化する」と述べ、業界全体も変わるだろうとの見解を示した。