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DigitalOceanがIPO “代替クラウド”の武器は「シンプルで安価」

 開発者向けクラウドをうたうDigitalOceanがIPO(新規株式公開)した。パブリッククラウドといえば、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloudの3強。それに中国のAlibaba Cloudを加えて語られることが多い。DigitalOceanは、これらとはひと味違う“代替クラウド”として注目されるという。

開発者、SMB、スタートアップ向けクラウド

 DigitalOceanは2012年に創業。2020年の売上高は3億1838万ドル。世界に13のデータセンターを構え、195カ国で利用できる。超大型企業で市場の大半を占めるパブリッククラウドの中にあって、“ニッチ”とも評されるユニークな位置にある。

 主力製品はLinuxベースの仮想マシン「Droplets」。ほかに、Kubernetes管理、データベース、オブジェクトストレージなど、基本的なものをそろえている。

 2020年秋には、アプリの構築、実装、管理、拡張ができる「App Platform」を発表し、PaaSにも進出した。Dropletsの中で最も低価格帯の「Basic」は、メモリ1GB、1CPU、25GBのSSD、月間転送量1000GBで月額5ドルと安価だ。

 同社がフォーカスする対象は、開発者、スタートアップ、中小企業で、これらの顧客ニーズに応えるべく、シンプルさで差別化するとしている。顧客は、個人と企業を合わせて世界185カ国に57万にのぼる。

 「クラウドが持つ変革をもたらすメリットは、簡単に活用でき、幅広くアクセスされるべき」(投資家向けページ)とアピールしている。