Infostand海外ITトピックス

次の“破壊”ターゲット? Amazonのオンライン処方薬局

2017年に薬局事業の検討

 Amazonの薬局進出には伏線があった。同社は2018年、オンライン薬局のPillPackを7億5300万ドルで買収。薬局事業のライセンスを取得した。新サービスにはPillPackのインフラを活用し、その既存顧客には「PillPack by Amazon Pharmacy」として継続する。

 CNBCはPillPack買収の1年前の2017年、Amazon本社の年次会議で薬局事業参入について話し合われたと伝えている。Amazonは、オンラインの薬品販売は、確立されたプレーヤーたちの複雑な市場と認識しており、人材引き抜きの話も出たという。この時点でAmazonは、既に処方箋不要の薬品の販売を行っていた。

 Amazon参入の報を受け、ドラッグストア店舗を展開する大手のCVS Pharmacy、Walgreens、Rite Aid Pharmacyなどの株価は軒並み下落した。

 Barronsは、これは投資家の過剰反応だと評している。Amazonの送料無料と割引販売の発表では、CVSやWalgreenにないものが追加されたわけではないというのがその理由だ。両社は既に、健康保険との連携や、医療専門家の配置などサービスの強化を進めている。

 UBSのアナリストEric Sheridan氏は、影響を受けるのは、同じく医薬品の価格比較や処方箋割引カードを提供するGoodRxかもしれないとBarronsに述べている。

 なお、そのGoodRxの共同創業者のStephen Buck氏(現在、遠隔医療サービスのRo Pharmacyのゼネラルマネージャー)は2017年当時、「Amazonが参入すれば、医薬品の価格に透明性が得られるだろう」とCNBCにコメントしていた。