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クラウド事業者にも岐路 5Gサービス本格展開で相次ぐ提携

AWSは2年がかりでVerizonに食い込み

 5Gはパブリッククラウド事業者にとっても重要市場だ。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudも、それぞれ活発な動きを見せている。

 AWSとMicrosoftの動きを取り上げたWall Street Journalは、AWSがこの2年間でVerizonとの関係を拡大してきたことを伝えている。Verizonは既に社内業務でAWSを採用していたが、2018年から、これをテレコム事業に広げる可能性を探るようになったという。

 当初、AWSのサービスは同社のデータセンターでしか利用できなかったが、Verizonが要求する高速なネットワークを実現するには、顧客の近くにサーバーを置く必要があった。そこでAWSはVerizonの施設内にサーバーを設置して、クラウドサービスを実行可能にした。いちはやくAWSのオンプレミス化を実行していたことになる。

 一方、Microsoftは2019年7月、AT&Tと、5G、クラウド、AIなど幅広い分野で提携している。Azureを使って一部市場にAT&Tの5Gネットワークを届けることも含まれており、同11月には成果も報告している。

 今年に入ってMicrosoftは、仮想化ネットワーク技術のAffirmed Networks、クラウドネイティブ通信ソフトウェアのMetaswitch Networksを買収。5Gとクラウドを強化している。Azureで通信事業に特化したチームを率いるYousef Khalidi氏は「われわれは今、重要な岐路に立っている」とWall Street Journalに語っている。

 Thomas Kurian氏をCEOに迎え入れて2年目のGoogle Cloudも、通信事業を狙う。3月に「Global Mobile Edge Cloud」戦略を打ち出し、AT&Tとの提携などを進めていくことを明らかにした。発表時、CRNは、Googleが小売、製造、運輸などの特定業界向けの5Gエッジコンピューティングソリューションをテストしていると伝えた。

 なおGoogle Cloudは10月、Nokiaとの5年間の提携を発表している。NokiaのITインフラをGoogle Cloudに移行するもので、NokiaのクラウドファーストIT戦略を強化するとしている。