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TikTokの買収協議 Microsoftの胸算用
2020年8月11日 11:29
TikTokへの米国の対応をめぐって緊張が高まる中の8月2日、Microsoftは、運営会社ByteDance(北京字節跳動科技)との間で同事業の買収交渉を行っていることを明らかにした。若者文化を代表するSNSとMicrosoftの取り合わせは意外だが、分析したメディアによると、大きなチャンスにつながるものだという。ただし、リスクも大きい。
MicrosoftとTwitterがTikTokの取得交渉
「Microsoftは、完全なセキュリティレビューを条件にTikTokを買収し、米国(財務省を含む)に適切な経済的利益をもたらすことを約束する」。Microsoftは8月2日付のブログでこう明らかにした。Satya Nadella CEOは、直前にTrump大統領と会談。大統領公認の対応とも説明している。
また、この買収協議は、外資の米国企業への投資を審査する「対米外国投資委員会」(CFIUS)に通知をしていることなどを付記。取引が成立した際には「米国のユーザーの全ての個人情報は転送され、米国内に留まることを保証する」としている。
結論は9月15日までに出すという。Trump大統領は、取り引きが成立しなければ、やはりTikTokの禁止措置をとると述べている。
売却対象のサービス地域としては、米国のほか、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国が挙がっているが、6日付の英Financial Timesは、さらに欧州とインドの事業も対象とする方向で検討されていると伝えた。
さらにWall Street Journalは8日付で、他にTwitterも、過去数週間にわたってTikTokと買収交渉をしていたと報じた。TikTokをめぐって、Microsoft以外にも動きがあったことが判明したわけだ。だが買収額は巨額で、Twitter単独で資金を工面するのは難しく、出資者を集めねばならないだろうとも伝えている。
TikTokの米国のユーザー数は1億人。デイリーアクティブユーザー数は8000万人。アナリストらによると評価額は500億ドルにのぼり、Microsoftの過去最大の買収であるLinkedIn(2016年、262億ドル)をもはるかに上回る。資金でMicrosoftに分があるのは間違いなさそうだ。