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「TikTok」逆風でSNS業界が混戦 米中対立エスカレートの中

「中国企業なので厳しい目で見られる」

 Trump政権は、“チャイナバッシング”を強めており、米国内の雰囲気も反中国が圧倒的になっている。

 こうした中で、ByteDanceは、さまざまな対策を打っている。ケイマン諸島に本社を移転し、透明性についてのレポート公開も始めた。3月にはロサンジェルスにTikTok Transparency Centerを開設。ここで外部の専門家がTikTokチームのコンテンツモデレーション作業を確認できるとしている。

 5月にはTikTokのCEOとしてWalt Disneyの幹部だったKevin Mayer氏を迎え入れた。米国人であるMayer氏はByteDanceのCOO職も兼任している。TikTokは7月、米国内で3年間に1万人を雇用するとも発表している。

 Mayer氏は7月29日、自社のブログでFacebookの動きに言及。「Facebookは“Lasso”(2018年に開始した動画SNSで今年7月に終了を発表)という模倣製品に失敗した後、今度は“Reels”という別の模倣製品をローンチしようとしている」と述べた上、「TikTokは競争を歓迎する。公正な競争は良いものだ」と受けて立つ考えを表明した。

 一方で、公正さも求めている。Facebookを名指ししながら「悪意ある攻撃ではなく、コンシューマーへのサービスで公正かつオープンな競争にエネルギーを注ごう」と呼び掛けた。

 合わせてMayer氏は「業界全体に厳しい目が向けられており、それは正しいことでもある。だが、われわれは中国でスタートした企業であるため、なおのこと厳しい目で見られている」と訴えている。

 Reutersによると、Sequoiaなどの投資家が、TikTokの所有権を取得する提案をByteDanceにしているという。さらにMicrosoftなど米国企業が取得するという憶測も出ている。その評価額は500億ドルとReutersは報じている。

 これは2020年の予想売り上げ額の50倍で、Snapの評価額も既に上回っているという。