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AWSの堅牢エッジデバイス「Snowcone」 "戦略エッジ"との関係は

国防総省クラウドをめぐる戦いから

 AWSは、2017年2月の公共機関向け公式ブログで、Snowconeの先輩にあたるSnowball Edgeを強力に軍に売り込んでいる。「戦場から軍事施設、飛行場まで、遠隔地でのデータ収集や分析など、国防総省の戦術ミッションを支援する」という説明だ。

 大量のデータをAWSに迅速かつ安価に転送でき、「コンピューティングとストレージのインフラを遠隔地の飛行場に輸送してデータ収集・分析する際にかかっていた最大50万ドルのコストを削減する」という。また堅牢さでは「5階建てのビルからの落下にも耐える強度」、セキュリティでは「軍仕様の256ビット暗号化」をうたった。

 2017年と言えば、国防総省が統合クラウド「JEDI」に向け、動き出した年でもある。「100億ドル、10年間、1社総取り」という同省の計画が報じられたのは同年末のことだ。

 AWSのSnowball Edgeが国防総省クラウド向けを意識した製品だったことは容易に想像できる。そして、Microsoftがその1年後に、よく似たTactical Microsoft Azure Stackを発表していることは興味深い。

 当初、JEDI構築の契約ではAWSが圧倒的に有利で、Microsoftは軍の要求基準を満たせず獲得は難しいとみられていた。しかし、Microsoftは猛烈に追い上げ、昨年10月の入札で逆転。受注を決めた(ただし、選考過程でAmazon嫌いの大統領が介入したとするAWS側の訴えで一時差し止めになっている)。

 SnowconeとAzure Stack Edge Rugged series。軍用の血を引くヘビーデューティ製品が、一般向けエッジの世界で対決することになる。