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5G/エッジ/クラウドを加速するか オープンソースのプラットフォーム「Aether」

ライセンス不要の周波数帯が切り開く可能性

 あらゆるものがネットワークにつながってゆくIoTは、DX(デジタルトランスフォーメーション)のキーワードの1つとなっている。世界的に商用サービス段階に入った5Gには、大容量、高速、低遅延などの特徴から期待が高まるが、各国の規制当局から周波数帯の割り当て(免許)を受けた事業者が運営する5Gは高価になりがちだ。

 一方で、ライセンス不要のWi-Fiは「信頼性、キャパシティ、セキュリティが十分ではないことから、企業はIoTと自動化の実装での使用に踏み切れずにいる」とONFは指摘する。モバイルネットワークは技術的に優れているものの、高価、複雑であり、多くの企業には手が届かない、という。

 こうした背景から、Aetherはライセンスを必要とする周波数帯と、ライセンス不要(アンライセンス)のネットワークの両方をサポートした。特に、アンライセンス分野で注目される「CBRS」(Citizens Broadband Radio Service)は重要な意味を持つとしている。

 「周波数免許不要の市民ブロードバンド無線サービス」の意のCBRSは、米国では数年前から、米海軍などが使用する3.5GHz周波数帯の150MH幅をライセンス不要で使用可能にする取り組みが進んできた。2020年1月、FCC(連邦通信委員会)がCBRSを商用向けに使うことを認め、事業者は周波数帯ライセンスを取得することなく5Gを実装できるようになった。

 ONFによると、ドイツ、英国、香港などでも同様の動きが進んでいるという。日本では「ローカル5G」として2019年12月から、まず28GHz帯を利用したシステムのガイドラインが示され、国内電機大手などがソリューションビジネスに本格参入することを表明。工場や建設現場、空港や駅など閉域の5Gネットワークとして期待されている。

 Aetherはその技術的選択肢になる。「企業がDXを加速するにあたって、フリーで低コストの周波数帯はプライベートのモバイルネットワークを実現可能な選択肢にしている」(ONF)という。

 またAetherには、いくつかの注目すべきポイントがある。