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テクノロジー企業にも新型コロナの影響拡大 一方でチャンスとの見方も

2020年前半で収束すれば、新たな成長も

 IDCは2月18日に北京発で、コロナウイルスが中国のICT業界にもたらす影響を予測したレポートを発表している。それによると、新型コロナの発生は2003年の「SARS」発生よりも中国経済に大きな影響を与え、飲食業、観光、卸売と小売、輸送、製造など広範囲の業種がネガティブな影響を受けるという。

 このうちICT市場については、2020年第1四半期に同国のPCとスマートフォンの売り上げは少なくとも30%減、ネットワークやストレージは15%減と大幅に落ち込み、同市場の成長率は一気にマイナス10.2%と縮小するとみている。

 しかし、その後、持ち直して上半期はマイナス1%まで復活。通年ではプラス5.5%の成長を見込んでいる。またインターネット・メディア業界のほかにも、ヘルスケア、政府、公共部門などにはプラスの影響があると予想する。悪影響に対応するための投資、減税・補助金、合理化などの施策、財政措置など積極的な施策が期待できるためだという。

 レポートは中国の市場について検討したものだが、他の国でも対ウイルス施策は似たものになるだろうし、活況を呈するサービスも出てくるだろう。先に挙げたテレビ会議のようなインターネット、クラウドサービスだけでなく、オンラインゲームや宅配など“引きこもり型”の消費も伸長するとみていい。大きく成長するビジネスも生まれるだろう。

 ただ、レポートは、「(中国政府による)封じ込めが奏功し、流行は2月下旬にピークを迎え、第2四半期に収束。徐々に落ち着いて通年の影響は限定的になる」との予想に基づいている。

 実際、中国での感染拡大ペースは鈍化しているのだが、欧米や他の地域ではなお急増中だ。このまま世界で猛威をふるい、大規模な不況に突入した場合は、また違った展開になることも考えられる。