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テクノロジー企業にも新型コロナの影響拡大 一方でチャンスとの見方も

クラウド会議がフル稼働

 英Informaの経営者向け情報サービス、No Jitterは、クラウド会議やコラボレーション製品を持つベンダーがここ数週間、新型コロナ拡大を受けてどのように対応したかをまとめている。突然降ってわいたニーズに応えるため、各社はさまざまな措置をとった。

 例えば、クラウドビデオ会議製品のZoomは、中国の全ての「ベーシック」(無料)ユーザーに利用時間無制限でサービスを提供。同業のBlueJeansはクラウドインフラとネットワークのキャパシティを拡張。大手Cisco Systemsも、44カ国でWeb会議「Webex」の機能を拡張して24時間サポートした。

 ほかにも、PCリモートアクセスのLogMeIn、Google(ビデオ会議製品としてHangout Meetを持つ)などが、それぞれ製品の無料提供や、容量拡張、特別サポートなどを行った。

 ユーザーはこれらをフル活用しているようで、「中国の1000を超える公立病院の医師たちがZoomでオンライン相談や遠隔診断を行っている」(Zoom)、「中国のWebexユーザーから国外に接続するWebexバックボーンのトラフィックが新型コロナ発生後22倍に増加」(Cisco)、「ビデオ会議ネットワークのトラフィックが中国で4倍、アジア太平洋地域で3倍に増加した」(BlueJeans)など、劇的な利用増が報告されている。

 フランスの企業向けコミュニケーションサービス、Orange Business Servicesも容量を拡張した。中国からのPSTN通話量が2倍に増加(中国外の会議サービスにアクセス)したといい、IP網以外も活用されていたことが分かる。

 新型コロナの拡大は世界で続いており、通信回線と遠隔コミュニケーションの需要はますます増えると予想される。この“特需”を受けて、関連ベンダーは対応を進めているが、同時に将来の顧客を得ることにもつながる。チャンスの到来だ。