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カリフォルニア州のプライバシー保護法が発効 ネットテクノロジー企業への風当たり強まる

後に続くテクノロジー企業規制

 多くのメディアは、CCPAの法的フレームワークが全米に広がる可能性を指摘している。カリフォルニア州の人口は4000万人。米国で最大の消費者を擁する大市場であるだけでなく、さまざまな先進的な法を導入する州として知られる。Reutersによると、既に10州ほどがCCPAのような個人情報保護法を検討しているという。

 Barron'sは、テクノロジー企業への規制の動向を知る上で、カリフォルニアの例は非常に重要だと指摘する。同州ではCCPAと同時に「AB5」(州議会法案5号)と呼ばれる改正労働法が発効した。UberやLyftのドライバーのような、いわゆる“ギグワーカー”に、正規の労働者としての権利を保障しようという法律だ。

 従来、アプリで仕事を請け負う人たちは個人事業主の扱いだった。彼らは請負事業者であって労働者としての法的権利は持たない。AB5の下で企業は、こうした人たちを雇用者として扱うか、あるいは、そうでないことを一定の基準に従って証明しなければならない。雇用者には、社会保険料を負担し、最低賃金法に従わなければならず、企業の負担が大きくなる。

 「この2つの法律は、ハイテク企業の台頭で引き起こされた最もやっかいな問題に法律で対処しようとするものだ」とBarron'sは述べている。

 ここ数年で、ネットビジネスを展開するハイテク企業への風当たりは強くなっている。巨大プラットフォーマーの「GAFA」には、反トラスト法違反の調査が行われている。世界でも、国境を越えて巨額の利益を上げるIT企業に新たに「デジタル税」を課すための議論が進められている。

 20年以上にわたって世界をけん引してきたデジタル経済だが、その根本に新しい規制を設けようという動きが今年は本格化するかもしれない。