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中国のAIベンチャーが米国を抜いた AI覇権国家の夢は実現するか?

米国を追い越す?

 こうした中国の動きに対して最近、米国では懸念が高まっている。

 安全保障問題を専門とするシンクタンクCNAS(新アメリカ安全保障センター)は昨年11月、「中国は、もはや技術力で米国に劣った存在ではなく、追い越しうる競争相手になっている」とのレポートを発表した。執筆した非常勤研究員のElsa Kania氏は「(両国のAI競争は)将来の経済的、軍事的バランスを変える可能性がある」と述べている。AIはもちろん軍事的にも重要な技術だ。

 では、中国は米国をAIで凌駕するのだろうか? Kania氏は、アジア太平洋地域の国際関係を扱うオンラインニュースThe Diplomatへの2月14日の最新の寄稿で、急速な国家主導の育成が成功するか、非効率を招くのか、あるいは逆に障害になってしまうのかを判断するには、時期尚早だとしている。

 巨額投資と政府資金の増額はAIバブルを招く懸念があり、多くの新しい研究機関の創設は人材不足に直面する可能性がある、というのがKania氏の見方だ。同氏は「中国がAI革命の最前線に立つのは明らかだが、その野望を実現できるかは不確実だ」と述べている。