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Webアプリ技術「PWA」がブレークへ? Microsoftもサポート

MicrosoftのPWA支持でUWPは?

 MicrosoftはWindowsプラットフォームのアプリケーションとして、UWP(Universal Windows Platform)を推進してきた。デスクトップから、スマートフォンやタブレット、さらに「HoloLens」や「Xbox」などで共通に動作する技術だ。

 そのMicrosoftが2月6日、「Welcoming Progressive Web Apps to Microsoft Edge and Windows 10」(EdgeとWindows 10でPWAを歓迎する)として、WPAを「Edge」ブラウザとWindows 10のデスクトップ環境でサポートすることを発表した。

 ブログでは、Edge用レンダリングエンジン「EdgeHTML 17」でService Workerを、Microsoft Edgeのプレビュービルドでプッシュ通信をデフォルトサポート。また、数週間後には、Web上のPWAのクローリングとインデックス技術の実験も開始するとしている。

 クロールで発見したPWAはMicrosoft Storeに掲載し、ユーザーは他のWindows 10用アプリと同じように探し、利用できるようになるという。同社は、「Webの将来のカギを握る技術」とPWAの位置づけを説明している。

 MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏は、同社が2017年12月のWindows Insiders向けテストリリースで、EdgeのService Workerをサポートし、それにFetch、Push、CacheなどPWAに必要なインターフェイスをサポート済みであることも補足しながら、「MicrosoftはWindows 10でPWA向けの技術的基盤をそろえた」と解説する。

 また、Microsoft StoreへのPWAのリスティングについても、2017年からBingクローラーを使ってPWAの識別を行ってきたと指摘。既に150万件の候補をレビューし、「小規模な最初のセット」を選んでいると述べている。これらも数週間以内にWindows 10ユーザーが利用できるようになるという。

 さらに、開発したPWAをMicrosoft Storeに提出するためには、PWAを含むappx(Microsoft Storeのパッケージファイル)を生成する必要があるが、開発者には無料のPWA Builderツールが用意されるという。

 では、これまで推進してきたUWPはどうなるのだろう? この点についてMicrosoftは、両方とも必要との見解を示している。「EdgeHTMLはUWPの基盤コンポーネントであり、UWPはPWAを受け入れる」(同社のブログ)とのことだ。

 Microsoft技術の情報サイト、NeowinはUWPの弱点として「ネイティブ版は各OS向けに作成する必要がある」ことを挙げる。一方、PWAはクロスプラットフォームのWebアプリで、Microsoftのサーバーではなく開発者が自分たちのサーバーでホスティングでき、アップデートの際、Storeへの提出が不要というメリットあると述べている。

 Jo Foley氏は、Microsoftの「新戦略」がうまくいけば、Microsoft Storeのアプリを数と質の両面で強化できると予想する。