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「Azure Stack」ついに出荷 MicrosoftのAWS追撃戦略

 Microsoftが、クラウド市場でAWSを攻略するための製品ラインアップを整えたようだ。9月下旬に開催した技術イベント「Microsoft Ignite」では、長らく待たれたハイブリッドクラウドソリューションの「Azure Stack」の出荷が始まったことが発表された。これに合わせるように多くの関連サービスも発表された。多方向からのAWS追い上げを図るものだ。

怒濤の「Azure」関連発表

 Microsoft Igniteは、以前の「TechEd」「Management Summit」など6つのイベントを1つにしたもので、IT部門の意思決定者やビジネス層を対象とする。2015年の初開催から今年は3回目を迎える。今回、クラウド、AI、Office、DBから量子コンピューティングまで、盛りだくさんの発表があったが、その主要なテーマに「Azure」がある。

 クラウド&エンタープライズ担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのScott Guthrie氏は発表文で「われわれは4つの重要な分野にイノベーションをフォーカスした。ITと開発者の生産性の向上、一貫したハイブリッドクラウドの提供、AIソリューションの解放、セキュリティ、プライバシー、コスト管理を通じた信頼性の確保だ」と述べている。

 初日9月25日のクラウドプラットフォーム関連の発表は、実に70項目に達し、重要なものも多い。例えば、通常のオンデマンド比で値引率最大72%のVMの予約インスタンス「Reserved VM Instances」、6月に買収したCloudynの技術を統合したコスト管理ツール「Azure Cost Management」、可用性を高める「Availability Zones」、「Azure Machine Learning」のアップデートなどなど、てんこ盛り状態だ。

 Business Insiderは、これら多くの発表の中から、「Azure Stack」「SQL Server 2017」「Azure Database Migration Service」を、「長く待たれた3つの秘密兵器」として解説している。