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「ブロックチェーンをクラウドで」 Microsoft、IBMに続き、SAPやOracleも提供

 ブロックチェーン基盤をクラウドで提供する「ブロックチェーン・アズ・ア・サービス」(BaaS)への大手の参入が続いている。ブロックチェーンは仮想通貨の技術基盤として知られるが、同時に企業のサプライチェーンを変革させるとの期待も大きい。対応サービスが増えることで、勢いが増すのだろうか――。

SAP、Oracleが「Hyperledger」ベースのBaaSを発表

 SAPが9月、BaaSの「Cloud Platform Blockchain」を推進するため、NetApp、Capgemini、HCL Technologies、Deloitteなどと提携すると発表した。Cloud Platform BlockchainはSAPが5月に発表したサービスで、IoTをはじめとするユースケースやビジネスモデルの開発を共同で進めてゆく考えだ。

 SAPは合わせて、「SAP Leonardo Blockchain Early Access」プログラムとして、顧客とパートナーがブロックチェーン機能を統合したSAP製品(SAP Leonardo Blockchain)にアクセスできるようにする。まずは自動車、航空・防衛、組立型製造などの業界にフォーカスするという。

 そして、10月の「Oracle Open World」では、OracleもBaaSの「Oracle Blockchain Cloud Service」を発表した。

 SAP、Oracleとも、オープンソースのブロックチェーンフレームワーク「Hyperledger」をベースとしている。Hyperledgerは、IBM、Intel、富士通、日立製作所などの技術企業と、ドイツ証券取引グループ、J.P. Morganなど金融業界からも多数が参加して、2016年2月にLinux Foundationのプロジェクトとしてスタートした。

 OracleのOracle Blockchain Cloud ServiceもHyperledgerをベースとしており、パブリッククラウド技術「Oracle Cloud Platform」を基盤に、企業がすぐに使えるよう、セキュリティ機能の追加や、自社ERP、SCMとの統合を容易にすることで差別化するという。