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感性AI、素材探索・開発プラットフォーム「感性AI MateriaLink」に素材シミュレーション機能などを追加

 京王グループの感性AI株式会社は6日、素材探索・開発プラットフォーム「感性AI MateriaLink」について、AIによる素材シミュレーション機能を新たに搭載する大型アップデートを実施したと発表した。

 「感性AI MateriaLink」は、電気通信大学坂本研究室の特許「感性定量化技術」で、素材の「触り心地」を定量化・データベース化し、曖昧なイメージを元に最適な質感表現や素材をデジタル上で探索できるサービス。これまで感覚的で共有が難しかった「感性データ」を定量的なデータとして扱うことで、企業間や社内におけるコミュニケーションロスを減らし、最適な素材の製作・選定を支援する。

 アップデートでは、蓄積された素材データとAI技術を融合させ、AIやビッグデータ解析など情報科学の手法を用いて新材料や代替材料の探索・開発を効率化するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)領域へ機能を拡張する。

素材シミュレーション機能

 追加機能のうち素材シミュレーション機能は、蓄積された素材の質感データと物理特徴量の相関関係をもとにAIが予測モデルを構築することで、未知の素材開発におけるシミュレーションを可能にする。「ふわふわ」「しっとり」といったオノマトペ(擬音語・擬態語)を入力すると、AIが定量的な質感データを算出し、さらにその質感を実現できる物理特徴量(厚さ、引張強度、透湿量などの項目をユーザーが任意で追加可能)を予測・提示する。

 通常、マテリアルズ・インフォマティクスにおける予測モデルの作成には、統計学やプログラミングの高度なスキルが求められるが、同機能では自社のデータベースに登録された素材データからAIが相関関係を解析し、自動で予測モデルを構築する。専任のデータサイエンティストが不在でも、Webブラウザー上の操作のみで手軽に予測モデルを作成・活用できる。

 さらに、シミュレーション結果をもとに、類似素材の検索や既存素材との比較ができる。「滑る」「凹凸のある」といった複数の質感尺度を数値指定した検索により、開発イメージに近い素材を効率的に収集・比較できる。

 素材の質感イメージを比較・分析できるポジショニングマップでは、43対86尺度の豊富な感性語彙(ごい)から軸を選択し、任意の観点で作成できるようになった。また、「高級感がある⇔親しみやすい」×「温かい⇔冷たい」など、自由に軸を選べる2軸ポジショニングマップにも対応した。

 これらのアップデートにより、開発中の製品コンセプトに合わせて自社素材や競合素材の立ち位置を多角的に分析できる。

 素材データの実験ノート機能では、各素材の質感実験データ、物理特徴量、関連資料をバージョン管理し、比較分析が可能になった。試作の履歴や条件ごとの官能評価結果を資産として蓄積・活用できる。

 感性AI MateriaLinkは、誰でも扱いやすいUIで定性的な「作りたいイメージ」と工学的な「物理パラメータ」を橋渡しし、学術的に裏付けされた技術により日本のものづくり産業に、開発効率の向上と試作削減によるサステナビリティ推進や熟練技術者の知見継承と人材不足への対応、より消費者の感性に響く製品開発の実現を提供するとしている。