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「世界5大クラウドの1つ」目指す Huaweiのパブリッククラウド攻略

中国の動きが追い風に?

 Huaweiの戦略を考える上で、中国市場の特異性も無視できない。同国のパブリッククラウド首位は「Aliyun」ブランドのAlibabaだ。一方、Googleは検索でさえ中国から閉め出されており、どんなにエンタープライズに力を入れても入り込む余地がない。AWSも中国リージョンを持ってはいるが、簡単に使えないと言われている。

 また、閉鎖性に加え、6月に施行された「インターネット安全法」(網絡安全法)がHuaweiの追い風になる可能性をFinancial Timesは指摘している。

 同法は、中国の消費者に関するデータは同国内に置かねばならないというもので、企業は順守のため、中国内にデータストレージを構築しているという。Huawei Cloudは、この動きに乗じることができるかもしれない。そこでMicrosoftの企業向けアプリケーションが使えることは、大きなプラス材料になりそうだ。

 国外企業を安心させるため、Huaweiはイベント中も「Huaweiは顧客データをマネタイズすることはない」と強調していた。

 Huaweiは、国外パートナーとの“連合”によって、中国ではHuawei Cloud、中国外ではそれぞれの地域のクラウドが使えるという図を描いている。今後DT、FT、Telefonica以外のパートナーが加わるか、大市場である米国をカバーできるかが注目される。

 HuaweiのイベントをレポートしたForbesは「(イベントは)シリコンバレーのハイテクイベントのようなスタイル」だったと報告。こう結んでいる。

 「世界は変わった。中国は繁栄し、技術力を持つプレーヤーになった」「中国はクラウドに取り組み、そこに(前向きな)嵐が吹いている」