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仮想環境でKubernetesサポート VMware、Pivotal、Googleの提携

 コンテナオーケストレーションのKubernetesに弾みをつける動きが続いている。サーバー仮想化技術を通じてプライベートクラウドで重要な存在であるVMwareが、仮想環境上でKuberntesを利用するサービスを発表した。共同開発したPivotalや、GCP(Google Cloud Platform)を提供するGoogleとともに、エンタープライズ市場を攻略していく構えだ。オンプレミスからパブリッククラウド、そしてコンテナへと動くトレンドの中でのインパクトは――。

vSphere上で、Kubernetesコンテナ環境を構築

 Kubernetesは大きな“モメンタム”を迎えている。プロジェクトを管理するCNCF(Cloud Native Computing Foundation)には、7月にMicrosoftが、8月にはAWSがそれぞれプラチナメンバーとして加盟した。主要パブリッククラウド事業者が全て推進メンバーとなったところに、新たにVMwareとPivotalもプラチナメンバーとして参加した。

 8月27日から31日まで開かれたVMwareのプライベートイベント「VMworld 2017」で、VMwareとPivotalは「Pivotal Container Service(PKS)」(ContainerはKubernetesの「K」に読み替える)を発表した。プライベートクラウドで広く大企業にも採用されているサーバー仮想化ソフトウェア「vSphere」上で、Kubernetesを用いたコンテナ環境を構築・管理するツールだ。イベントには、両社の親会社にあたるDell TechnologiesのCEO、Michael Dell氏も顔を見せた。

 PKSは、オープンソースのクラウド管理ツール「Kubo」が元になっており、「Kuboの商用版」と紹介されている。Kuboは、Cloud Foundryの運用ツールである「BOSH」をベースとしたツールで、任意のクラウドでKubernetesを使ったコンテナの管理を支援できる。

 PKSは、vSphereとシームレスに統合可能で、VMwareのネットワーク仮想化技術「NSX」で構築されたSDDC(ソフトウェア定義データセンター)インフラで、企業ユーザーがコンテナや仮想マシンを安全に利用できるようにする。

 そして、PKSのもう一つの特徴が「Google Container Engine(GKE)」との互換性だ。GKEはKubernetesをベースとしたコンテナ管理ツールで、コンテナで開発したアプリケーションをGoogle Cloudで展開できる。PKSによって、vSphereベースのプライベートクラウドと、Google Cloud Platform(パブリッククラウド)のサービス(BigQuery、Spanner、Machine Learningなど)を容易に統合できるという。