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先進起業家は空を目指す 新しい航空機と輸送システム次々登場
2017年5月1日 10:30
飛行輸送システムはクリーンな巨大ビジネスに
なぜいま空なのだろうか?
Business Insiderは、Googleの2人の共同創業者、Uber、Liliumなどの動きを紹介しながら、突然の飛行ブームについて分析。2つの要因を挙げる。1つ目は「新しい航空の形は収益性が高く、次の巨大ビジネスにできると考えられているから」で、2つ目は「本当に環境に優しく、効率の良い新しい輸送システムを構築したいから」だとしている。
Uberが公開しているホワイトペーパーは渋滞問題を取り上げ、「2016年、サンフランシスコの住民は通勤に平均230時間を費やした。1日あたりの社会の生産性の無駄を計算すると、計50万時間に相当する」と問題を提起。「オンデマンドの航空輸送システムは、都市部の移動を劇的に改善する可能性がある」と解説している。
同社の比較によると、サンフランシスコのマリーナからサンノゼのダウンタウンまで、上空を使えば移動距離約70キロで所要時間は15分。地上のタクシーサービスの「uberX」なら91キロで1時間40分かかるとする。価格についても、VTOLは当初こそ129ドルで、uberXの111ドルや乗り合いの「uberPOOL」の83ドルより高いが、長期的には20ドルにまで下がると試算している。
Liliumに投資するAtomicoのZennstrom氏は「誰もが自律的でeVTOLを使って移動すれば、路上での乗り物による事故や死亡者、環境汚染に苦しむ人も減るだろう」と述べている。Business InsiderはZennstom氏が2016年のイベント「TechCrunch Disrupt」で、「現在の交通は壊れている。ロンドンを東から西に縦断するための時間は全く読めないし、都市部の汚染問題は深刻で気候問題を悪化させている」と発言したと伝えている。
空を使った短距離移動ができるようになるのも、そう遠くなさそうだ。Kitty HawkはFlyerを2017年末に発売する予定。Uberは、2020年にドバイで開催される博覧会、また米ダラスで自社eVTOLが利用できるようになるとしている。